中学校の部活顧問は超ブラック? 理不尽な扱いでやめたい教師も多い!

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部活がブラック過ぎて倒れそう

今日は普段とは趣向を変えて,
中学校や高校の“部活動”について
考えてみたいと思います。

4月25日の毎日新聞の「くらしナビ」で
部活動顧問の問題が取り上げられていました。

記事のタイトルは
「部活顧問である教員に選択権を」

多くの学校では部活の顧問を
その学校の先生が兼任しています。

先生たちにとって本来の業務は授業。
部活動は授業が終わった後の業務です。

授業だけでも大変なのに
それに部活の指導が加わるわけですから
その負担はかなり大きくなります。

これに関して昨年12月に
ネット上である“署名運動”が行われました。

部活の顧問を引き受けるかどうかの
「選択権」を求める署名です。

3カ月で約2万3500人分が集まり
3月始めに文部科学省に届けられました。

顧問をやめたいと思っている教師が
かなり多くいるという証拠です。

なぜこのような署名が
ネット上で行われたのでしょうか。

その背景には部活動を巡るさまざまな問題があります。
その現状と解決策を今日は考えてみたいと思います。


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学校の教師が部活顧問を兼任するのは超ブラック

私自身,中学校時代は
卓球部に所属していました。
(半年で辞めましたが…)

顧問と担任が同じ先生だったので
正直すご~~く嫌でした。

部活の顧問=学校の先生

多くの人にとって,
これはほとんど常識だと思います。

私が通っていた中学校でも
部活顧問は全員がその学校の先生でした。

「顧問=先生」というのは
当時あまりにも当たり前すぎて
何の疑問も持っていませんでした。

でも,ちょっと考えてみると
これは不思議なことです。

先生たちにとって本来の業務は授業。
教科の指導が一番の仕事です。

朝9時ちょっと前から授業が始まり,
6時間目が終わるのは3時半ごろ。

途中休憩はあるにしても
通常の授業だけでも一日に5時間程度は
こなさなければなりません。

もちろん授業をするには
それなりの下準備(教材研究)が必要です。

さらに担任を持っていれば
生活指導などで多くの時間を取られます。

ですから実際には授業終了後にも
やるべきことは山のようにあります。

しかし現実には授業終了後に
すぐに部活の指導が待っています。

そのため授業準備や打合せなどは
部活終了後にしなければなりません。

本来の業務である授業のあとで
先生たちは“部活動“というもう一つの業務を
こなしていることになります。

授業だけでも大変なのに
さらに部活の指導もしなければならないなんて
普通に考えたら大変なことでしょう。

普通の会社や工場におきかえれば
その不自然さは一目瞭然。

終業のベルが鳴ったあとに
さらに次の仕事が待っているわけです。

これって残業の強制ですよね~。
まさにブラック以外の何物でもありません。

このように部活動というのは
多くの先生方の献身的な努力によって
支えられているのが現実なのです。


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部活の顧問をやめたい!

なぜこの問題を取り上げようと思ったかと言いますと
私も以前は小中学校の教師をしていたからです。

新卒で地元の学校に採用となり
小学校教師を8年,中学校教師を9年間勤めました。

生徒たちとの関係は極めて良好で
いじめや体罰などの問題もほとんど経験せず
充実した教員生活を送ることができました。

そんな私がなぜ教師を辞める決心をしたのか。
その一番の理由は常軌を逸する多忙さでした。

まさに“セブンイレブン”という言葉が
ビッタリだったと思います。

朝は部活(テニス部)の早朝練習のため
家を出るのは7時前後。

朝練が終わるとすぐに授業開始。
基本的に授業中はずっと立ったままなので
半分は肉体労働みたいなもんです。

授業が終わると再び部活の指導。
日没過ぎまで屋外での指導が続きます。

その後, 授業準備や学年での打合せ,
さまざまな業務が入ります。

すべての仕事を終えて学校を出るのは
平均すると7時半から8時くらいになります。

これに万引きや暴力など
非行問題を起こした生徒への対応が入ると
帰宅が深夜に及ぶこともしばしば。

さらに土日は部活の練習や遠征が入るため
休みはほとんどありません。

家でゆっくり過ごしたり,
家族と出かける時間は全くありません。

そのストレスは凄まじいもので
年に1~2回は寝込むこともありました。

元々スポーツ音痴でのんびり屋の私にとって
休みの全く取れない生活は本当につらかったです。

早朝から夜まで働きづめで
土日もほとんど休みなしとなれば
普通の人は気が狂うでしょう。

「部活の顧問をやめたい!」

ずっとそう思っていた私は
そんな生活に耐えられず教師を辞めました。

今は個別学習塾の講師として
心おだやかな日々を過ごしています。


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ズブの素人に専門的な指導は無理

部活動の顧問をしていて常に疑問に思っていたのが
「スポーツ音痴の私に部活の指導などできるわけがない。」
ということでした。

引っ込み思案だった私は
小学校の頃から運動が苦手でした。

中学校では卓球部に入りましたが
一向に上達しないので半年で辞めました。

そんな私が運動部の顧問を任されたわけですから
まともな指導ができるはずもありません。

任された部活はテニス部と水泳部でしたが
どちらも経験はゼロ。

もちろん本などを読んで勉強もしましたが
自分で経験したことのないスポーツを教えることなど
普通に考えたら無理に決まってます。

そのため練習は“量”と”気合”でこなすという
きわめて古風なものでした。

ですから細かい技術面の指導や戦術などは
ほとんどやった記憶がありません。

今から思えば,
かなりいい加減な指導だったと思います。

日々の指導ももちろん大変でしたが
特につらいと感じたのは土日の指導です。

大会や遠征の時は朝も早く
年に数回は6時に家を出ることもありました。

しかし運動音痴でのんびり屋の私は
「だれかと戦って勝つ」ということに対して
ほとんど興味がありませんでした。

そのため大会などに行っても
「1回戦で負ければ早く帰れるのになぁ…!」
みたいな感じでした。

でも周りを見ると私のような存在は少数派。
多くの先生がチームの勝利に向けて熱心に指導を行い
華々しい結果を出していました。

そんな姿を見るにつけ
「とても自分にはできない!」という思いを
常に抱き続けていた私でした。

なぜ多くの教師が部活に夢中になるのか

しかし当時,私のような教師は少数派でした。
ほとんどの先生は熱心に部活の指導を行っていました。

その熱心さに悲壮感はまったく感じられず
どの先生も生き生きと部活に取り組んでいました。

大会などでいい成績を収めると
周囲からも「スゴイですね~!」と称賛され
深い満足感を持っていたようです。

なぜ多くの先生たちはそんなに熱心に
部活動に取り組むことができたのでしょうか。

これは私の私見ですが
基本的に中学校の教師というのは
“体育会系”が多いからだと思います。

「俺は部活の指導がやりたくて教師になったんだ!」
などと公言する人もいましたから。

どの先生も教科に関係なく,
いかにも“体育の先生”という感じで
自分とは別世界の人って感じでした。

そんな体育会系の雰囲気に
自分が溶け込めなかったというのも
辞めた理由の一つだと思います。

こんな感じで皆さん,
基本的には部活の指導が大好きなのです。

なぜみんな部活に夢中になるのでしょうか。
その理由を考えてみました。

1) もともとスポーツが大好きである

さきほども書きましたが
部活をやりたくて中学校の先生になったという人が
意外に多いという事実があります。

学生時代からずっとスポーツをやってきて
戦うことに大きな喜びを感じている人たちです。

自分が好きでやってきたことですから
指導も全く苦になりません。

さらに大会などで優勝した時の快感は
一度味わってしまうとやみつきになります。

運動音痴で非体育会系の私でさえ
自分のチームが優勝した時は本当に嬉しくて
心の底から喜びを感じましたから。

そして一度その喜びを味わってしまうと
「また頑張るぞ~~!」という気になります。

自分の好きなことをやってるわけですから
彼らにとって部活はむしろ楽しい時間なのです。

2) 実績を出せば目立てる

大会などで優勝すると
同僚の先生から「スゴイですね~!」と
めちゃくちゃ称賛されます。

教科の指導だとそんなことはありません。
「○○先生の英語の指導はスゴイですよ~!」
なんてセリフ,現場ではほとんど聞きません。

でも部活だと結果が一目瞭然。
優勝すればみんなが注目してくれます。

そしてそれは生徒の側にも
大きなメリットがあります。

「○○先生ってスゴイよね~」みたいな感じで
生徒からも一目置かれる存在になります。

そんな部活に入って結果を出すことで
本人の自信にもつながり入試も有利となります。

このように部活動は教科の指導に比べて
周囲の評価を得やすいのです。

3) 人脈ができる

体育会系の人脈は強力です。
私が務めてきた学校でも多くの校長が
体育会系の方でした。

部活で結果を出すことで
先輩や上司からの評価も高まります。

そうした評価が人脈作りにつながり
出世に影響を与えることもしばしば。

部活がらみの“飲み会”も多く
そうした場面でコネクションを作り
出世への足掛かりとしている人も多いのです。

部活を強制するのは理不尽

部活はあくまで課外活動です。
そのため校務から外すべきだというのが
私の基本的な考え方です。

しかし実際には多くの学校で
部活動が「校務」の一部として位置づけられ
全職員の参加が強制されています。

でも実際に考えてみれば
部活動が始まるのは5時前後ですから
完全に勤務時間外になるわけです。

時間外の活動でありながら
校務に位置づけられているという矛盾。

言い換えればこれは残業の強制です。
超ブラックですよね~~。

勤務時間外の労働強制であれば
拒否することも可能なはず。

私の記憶ですが毎年4月には確か
「部活顧問会議」というのが開かれました。

その場で部活の担当者から
「ぜひとも皆さんのご協力をお願いします」
みたいなことを言われた記憶があります。

つまり部活動の顧問というは
半分は(というか100%)ボランティアみたいなもので
参加するしないは本人の意思なのです。

ボランティアであれば
断ることも可能なわけで。

今から考えれば何も教師を辞めなくても
顧問を断ればよかったなぁと思います。

もちろんそのことで職場でいじめられたり
孤立したりすることがあるかもしれませんが…

全員入部制, 全員顧問制は廃止すべき

勘違いしないでほしいのですが
私は部活動そのものを否定しているわけではありません。

健全な青少年の育成のためにも
部活動は絶対に必要なものだと思います。

一番大きな問題は
部活動が「学校教育」の一部に
位置づけられていることです。

活動時間が5時以降であることを考えれば
部活動は「社会教育」に位置づけるのが筋でしょう。

そうなれば指導者は学校の教員である必要はなく
一般の社会人が対象となります。

外部の指導者を導入することで
部活動はより開かれた組織になります。

そうなれば教師の負担も減り
日々の校務を余裕をもって進めることができます。

そのためにはどうすべきか。
私の提案は次の1点です。

全員入部制,全員顧問制を廃止し,希望者のみの活動とする。

部活動というはもともとは課外活動。
課外活動であれば強制するのはお門違いというもの。

参加する生徒も, それを指導する教師も
希望者のみとするのが一番だと思いまず。

やりたい人はどうぞご自由に。
土日も休みなく練習したい人はどうぞご自由に。
勝利めざして頑張る人はどうぞご自由に。

これが一番いい方法だと思います。

教師にも事前にアンケートを取り
顧問としての活動をしたいかどうか確認。

自分からやりたいという教師には
どんどん部活動に参加してもらう。
そしてその分の報酬もきちんと払う。

これが一番だと思います。

冒頭に紹介した毎日新聞の記事によると
日本の教員の勤務時間は世界の中でも
突出して長いそうです。

文部科学省の調査によると
1日の平均勤務時間は10時間36分。

これだけでも異常な長さですが
これに土日の指導が加わるわけですから
その負担はあまりにも大きすぎます。

「部活の顧問は限りなくブラックである」
という認識が少しずつ広まっている昨今。

一人でも多くの教師が声を上げ
顧問を拒否することで流れは変わると信じています!

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